heise SecurityによるMACOS Xのファイアーウォール話って変

OSにバンドルされているファイアーウォールソフトウェアについて、やや気になった記事がITmediaにて紹介されている。

 こうした「セキュリティ問題に無頓着なAppleの姿勢は、4年前のMicrosoftを思い起こさせる」とheiseは批判する。当時Microsoftが出荷したWindows XPファイアウォールがデフォルトで無効になっており、ワームの大流行を招いて大規模な被害をもたらした。しかしこれが教訓となり、Microsoftは実用的なファイアウォールをデフォルトで有効にして提供するようになったと解説している。

原文はA second look at the Mac OS X Leopard firewall(heise Security)

「安全側」に傾くならば、デフォルトでパーソナルファイアーウォール機能が稼動している状態が安全なのは、十分に理解しているし。わかってはいますよ。もちろん。


でもさ。
OSをインストールしたらば、デフォルトでパーソナルファイアーウォールソフトウェアが自動的に起動し稼動する。
利用するか否かを十分に説明した上で、他社製品と比較し他社製品を運用する可能性をも提示した上で、消費者に選択の主導権を十分に与えているとは言えないような気がする。
これはある意味で「公平」な事なんだろうか?
サードパーティ製品の市場シェアを不当に奪い、消費者の選択の余地を奪ってしまうのではなかろうか。


WindowsMacOS XにバンドルされるFirewall機能は、既存のパーソナルファイアーウォール製品の市場を奪う行為だとの声を、寡聞にして全く見た記憶が無い。


ウイルス対策ソフトウェアであれば滅茶苦茶叩かれそうなんだけどね(現に叩かれていたし)。
Windows OSにバンドルされているMedia Playerなどは、滅茶苦茶に欧州委員会に叩かれ非難されたではないかと。
何故に誰も非難しないのかね。


デフォルトで有効ではなかった仕様は、ある意味で正常なのではなかろうか。
もしもWindows OSにウイルス対策ソフトウェアがバンドルされ、デフォルトで有効になったならば。CDや動画を利用するためのプレーヤーソフトウェアがデフォルトで有効であったならば。前述の通り、独占的な立場を利用した悪辣な行為として咎められるのでは。
(実際にはWindows XP SP2以降は、Firewall機能は、まぁ)


デフォルトで有効でなかった、のみでは無かろうに

BlasterとSasserワームの頃の時代背景やWindowsファイアーウォールについて、heise Securityは主たる問題点を一つ勘違いしている。
一番の問題はデフォルトでファイアーウォールが有効ではなかったからのみではなく、機能面に欠陥があった点では?
Windows XP SP1以前のファイアーウォール機能は不十分であり、利用していたとしてもSasserワーム等に感染する可能性があった)

機能面の瑕疵や不具合であるこの問題を考慮し、当時は感染しあきらめた方々向けのリカバリー指南として、ワームに感染しない Windows 2000/XP のインストール手順(tomcatの落書き帳)のように、無防備タイミングを回避するための指南が紹介されたのだ。