あなたの情報を盗み出すソフト、との記事

スパイウエアの手口と対策 Part1 あなたの情報を盗み出すソフト,ただし定義は意外とあいまい(ITpro)なる記事は、実情に即した内容としてはニュースポータルの連載としては最も良く整った内容だと思う。
「スパイウエアの範囲」として図2と本文にて「狭義のスパイウェア」と「広義のスパイウェア」について解説を加え、対策側メーカーによる対応が異なると言及したのは、いい傾向だ。
ワンクリウェアのメアド抜きについて解説した内容としては、大手ニュースポータルではこれが最初かな。
立ち回り先が自分とかなり重なっている方が執筆したのかしらと。


引っかかった点は幾つかあった。
瑣末な部分として。
1)本文中の「スパイウエア」はGoogleで約433,000件、ちなみに「スパイウェア」は約3,140,000件で、表記は一般的に用いられるスパイウェアとした方が良かったのではと。
2)「ウイルスやワームのほとんどが」以下の部分には「ユーザーの情報を狙い撃つ」の章には、ボット(Bot)を加えるべきであった。でなければ愉快犯と営利目的での説明がどうも現状に即さない。
3)「スパイウェア」の感染事例として、ネットワークワーム経由と考えられるケースがあるし、ダウンローダーについての説明は欲しかった。


やや見過ごせない問題点として。
4)タイプミスがある
5)1ページ目下部のアドウェアの解釈がおかしい。


強く要望したい部分として。
6)文中にて狭義と広義を混同している(1ページ目の後半部分)。「潜在的に望ましくない技術」は(文中にては引き合いに出されていないフレーズだが)、論じるには注意が必要な概念である。
7)ASCをここまで強く意識した記事ならば、ネタ元として掲載していただきたい。


日経ITproの記事でもこれが勝村幸博氏であったならば、奥行きの深さが違う内容になったろうにと。
(勝村氏署名記事は毎回突出して素晴らしい内容で、自分は勝村氏のファンです)

追記事項(同日)

ライターの人は、用語の定義が挙動を指すのか目的を指すのかを見直したらば、より充実した内容になっただろうに。参考になるまとめページはSempliceならばマルウェア(Malware)の定義(ウイルス・スパイウェア・アドウェア)(2005年10月16日)(Semplice)かな。
また連載記事だから今後紹介されそうなんだけど、あるマルウェアが他のマルウェアの呼び水となる事例については、きっちりとポイントをおさえてもらいたいと強く要望する。


あと、あくまでも希望的で希薄な要望なんですが。
ラッキングクッキーがスパイウェアであると持ち出したからには、Lucaさんかもしくは郄木浩光氏のブログが指摘している数々の問題 - 対策側メーカーによるFUD問題 - は扱ってもらえるんでしょうか。
スポンサーとの関係などで難しいでしょうが、ニュースポータルサイトオピニオンリーダーたる日経ならではの視点を、是非とも読んでみたいものです。凄く楽しみにしております。