偽セキュリティソフトによる、動作しているふり、とは?

4ヶ月も前の日経ITpro記事についてのメモ書きを見つけ、いささか旧聞ではありますが。
勝村氏はニュースポータル上にてマルウェア関連の話題を扱わせたらば日本で最も優れた人物だと、全く面識もやりとりも無いのに一方的に尊敬しております。
だが、この記事はいけません。

 WinAntiVirus Pro 2007では、機能しているように見せかける手口が、より巧妙になったという。例えば、従来版のWinAntiVirus Pro 2006でウイルススキャンを実施すると、スキャンは短時間で終了し、ウイルスが検出されることもほとんどないため、実際にスキャンしているかどうかが疑わしい。
 ところが新版では、パソコンのハードディスクを実際にチェックしている可能性が高いという。チェックに時間がかかるとともに、ソフトの画面上には、チェック中のファイルとして、実在するファイルが次々と表示される。


MalwareWipedはクローン製品 - 不審ソフトのスキャンが数秒で終わる理由(2007年2月17日, Semplice)にて記載したが、この手のいかがわしいソフトウェアのスキャンはわずか数秒や数十秒で終了する。
Quick Scanではなく、Full Scanであってもだ。凄い高速スキャンだと。


だがソフトウェアがある意味で正常に動作しているのか否かを、単なるスキャンに要する時間のみで判断して決め付けてしまうのは、早計である。
本当にスキャンしているのか否かをチェックするには、実際に検体を準備した上でFileMonやRegMonを利用すれば良い。いや、使わねばならない。


メーカー発表記事を単にそのまま記載しただけ、なんだろうけど。
日経パソコンを代表する勝村幸博氏ならばこそ、実際にサクッと検証した上で書いてもらえたらばと、ファンより淡い期待を込めて。