やらせブログ紹介番組を「誤解」と?口コミマーケティングの顛末

論点ずらしのままでは、幻滅した閲覧者の理解は得られない

先日バイラルマーケティング(Viral Marketing)の虚(Lucablog)にて、所謂ヤラセブログがNHKにて放映された感慨を掲載した。
すっかり忘れていたのだが、NHKに取り上げられた 女子大生のブログ炎上(JCASTニュース)にて、その後の顛末が掲載されていた。
引用が長くてすいません。

「ニュースウォッチ9」には、1日に1万人が見るブログを運営する女子大生で雑誌の読者モデルを務める坊農(ぼうのう)さやかさんなどが登場。映画の試写会にでかけたり、レストランでタダで食事をする様子などが放送された。また、別のブロガーは企業から提供された化粧品や飲料を手渡され、「上手なブログの書き方」を指導されている様子が映された。ブロガーはこうした商品の話を自分のブログに書く事で、1回につき数千円の収入を得られるのだという。 単なる個人のブログだと思って見ていたのが、実は企業のヒモ付きだった事を知った人達は、この放送を見て裏切られた気持ちになったのだろう。

さて、Tiara Girl編集長☆坊農さやかさんのブログを眺め、口がアングリと開いてしまったのだ。

先日あるメディアの取材を受けました。

そして、その放送内容が取材時とあまりに異なることに驚きました。

そこでは、私が取材でお伝えしたかった 「毎日を大切に感じることができるブロガー経験の素晴らしさ」や 「ブログがなければ出会えなかったかもしれない人やモノとの素敵な出会い」、 「自分が経験したことを自分なりの視点で伝えていくということの楽しさ」 「たくさんの中から自分が心から『良い』と感じたことだけを選び取って紹介していくオリジナル感覚」 などは殆ど削除され、

「企業の方が提供してくださった商品をレポートした」という部分だけが クローズアップされていました。


。。。。。。。。何考えてるんですかね、この人。
NHKの番組を閲覧し抗議した方々は、企業よりの利益供与を得ていたとの論点に幻滅したのだよ。例え取材中に語った多くの事柄のうち一部のみが抜粋されたとしても、だ。
大体「消費者がカチンと来た原因」は、単なる宣伝ブログと閲覧者より判断されるだけの材料が十分に揃っていたからだ。
NHK放映時にはブログの書き方として、商品の提供を受けていたと明記するように指導する様子が放映されていた点には、断りを入れておく)


NHKは嘘はついていない。
わざわざ「商品の供与の明記」についてのコメントを放映し、十分な中立性は保った。
多くの閲覧者は、その上でネガティブな感情を持ったのだよ。


「本当に伝えたかった事」まで含めて放映されたとしても、やはり大多数の閲覧者は騙されたと感じただろう。
「取材でお伝えしたかった(以下略)」なんて、どうでもいい。何を「本当に伝えたかった」と後付けで言われたとしても、意味が無い。
これでは最も大事な論点をうやむやにし、NHKに全ての責任があるかのように振舞っただけだ。
坊農さやかさんによる論点ずらしにより、一方的に悪者にされたNHKの担当者がですね、あまりにもお気の毒なのだよ

坊農さやかさんのブログにおける釈明は、クレーム管理とリスクマネージメントの観点よりはあまりにも不適切

さんがまず返答するべきは、「NHKが取材内容のうち一部だけを切り出したために、皆さんが誤解されたんですー!」ではない。
繰り返しになるが、「取材でお伝えしたかった(以下略)」なんて、どうでもいい。いや、書くべきではなかった。
論点ずらしな釈明をわざわざしたために、「正直な人間ではない」との印象を持たれたのは、イメージ戦略としては明らかに失敗であった。


ブログ閲覧者が最も求めた文面は、単純である。
一部の記事にて、メーカーより商品の無償提供と金銭の授与を受けていたのは事実です、そして自身が掲載した宣伝記事にては、嘘は書いていないと明記すべきであった。
その上で自分が納得できない商品の記事は、掲載を断りましたとでも書けば、なお一層宜しい。
釈明内容が「商品の内容や機能そのものには嘘をついていません」との宣言につながれば、大多数は納得できただろうに。
だが当人は、そのような反論は掲載されなかった。
坊農さやかさんは、何故に理解できなかったのかなぁ。

放送倫理番組向上機構へでも相談したらば良いのになぁ

坊農さやかさんがここまで堂々と、NHKによる取材にてコメントのうち極めて一部のみを切り出され放映されて「誤解を招いた」と主張するならば、恥じ入る事は無い。
マスメディアによる人権侵害の訴えを受け付ける団体、一例として放送倫理番組向上機構にでも訴えれば良い。
放送倫理・番組向上機構(Wikipedia)