スパイウェアとマルウェア対策サイトの簡単な作り方

多少険のある話ですいませんが、自分はそれほど陰湿な性格でもなく、他者を貶めて喜ぶような人間でもありません。
日頃より感じている感覚的なものですが、今のままではもうダメなんではと先行きに不安を覚え、どうしょうも無い行き詰まり感に襲われております。

日本国内のスパイウェアマルウェア対策サイトは、中間層が無い

結論をいきなり書いてしまうんだけど。
極めて一部のそれこそ神様のような個人や、または企業・団体によるサイト。これらはそんなにおかしくは無いよ、大体は。


大多数の個人サイトでは、どうなんだろうか。
言っちゃ悪いけど、「初心者が初心者向けに書いている」ものが大多数だよね、特にマルウェア関連の話題に特化したようなサイトでは。
もう少し悪い言い回しをしてしまえば、「できない人がわからない人に高飛車に教え、自己満足している」だけだよね。
どこからか拾った文章を転載しただけなのに「業績業績」と仲間内で自慢したり、自身が何かの専門家であるように装う、それが現状です。

情報を収集し内容をまとめ、経験を元に書くテクニックの欠如

ブログやサイトを運営するに当って、多くのテーマ中にて一テーマとしてマルウェア関連の話題を扱っているようなサイトでは、それほどおかしなものは少ない。
例えば人気ブログの運営者が、たまたま出会ったとあるマルウェアなり詐欺の手口に遭遇し、紹介するなど。
多分これらは、他のテーマにて十分に文章力や取材力や得られた事実より何かを導くための洞察力が、長年の活動にて十分に養われた結果なんでしょう。
だから「技術的なセンス」が多少至らない部分があったとしても十分に読者の理解を得られる文章力を発揮しているし、内容が不十分であったとしても独自の考察などには参考となる部分も多い。


対照的に、マルウェアスパイウェアウイルス対策に特化したようなサイト - 特に個人が運営するサイト - では、内容があまりにも妙ちくりんなものがある。
多くの場合情報が古く適切でないし、見るべき部分が無い。
言っちゃ悪いんだけど、大多数のものはどこかの著名サイトやメーカーサイトからの転載ばかりだったり、新規性のある情報が皆無である。

新規性や独自の解釈・経験が記載されていないサイトはどうなのよ

具体例を紹介すると問題がありそうなんで、ボカして書きますが。
現在日本国内で運営されている幾つかの個人サイト、それもマルウェアなりスパウェア対策に特化した内容のものを幾つかざっと眺めるとする。


大体7割は、新規性がある情報が無い。
どこかの雑誌や書籍やWebサイトの内容をつまみ食いすれば、同等のものをすぐに作成できるだろう。
最も悪質な例の一つとして、以前はてなにて晒した某サイトは、アンチウイルスソフトメーカーが公開している内容を一字一句そのまま転載したものであった。


大体3割は、情報が古い。
スパイウェアの感染経路が代償を求める無料ソフトウェアのインストールとのみ記載しているようなサイトは、意外なほど多い。
また古い事例ばかりを紹介されても、現実には訳には立たない。
脱線しちゃうけどスパム対策を謳うサイトの幾つかは、未承諾広告メールには毎回受信拒否の返信をするよう掲載しているのもあるよね、ライブアドレス(利用されているメールアドレス)として今まで以上にスパムメールがやって来るだけなのに。


大体4割は、内容そのものに間違いがある。
ありがちなのは、スパイウェアマルウェアを混同しているような事例だ(日本国内で最も著名なサイトであるアダルト被害対策の部屋であっても、そんな感じなのだが)。
次に多いのは、スパイウェアではないものをスパイウェアとして含めている事例。確かに今より3年ほど前までは、ブラウザハイジャッカーやアドウェアスパイウェアとして一般的には扱われていたし、そのような広義の・慣用的なスパイウェアの用法には理解を示すよ。だけど広義と狭義の定義を混同する事例はおかしいし、スパイウェアと広義で含めるあらゆるものが個人情報を抜き取るのではない。ましてや従来「広義のスパイウェア」に含まれなかったような下らないものを「何でもかんでもスパイウェア」に含めるならば、あまりにもデタラメだ。
具体例を紹介してしまうけど、JWordJWordは「広義のスパイウェア」に含めうるけど「狭義のスパイウェア」ではない、だけどそのように言及しているのはLucaさんとあと一つだけだよね。
次に、クライアント向けファイアーウォール製品(Personal Fire Wall)の扱い。ブロードバンドルーターが普及している今時、個人向け情報としてはAir'Hでも利用していなければ外部よりのトラフィックをブロックさせる必然性は無い。
間違いと言うか言葉足らずなのだろうけど、キーロガや個人情報を抜き取るようなマルウェアに感染したエンドユーザーに対し、マルウェアの駆除のみをアドバイスする場もおかしいだろう。登録サービスのパスワード変更などを真っ先に促すべきだ。


大体2割は、メーカーや著名サイト中の間違いをそのまま信じ込み掲載している。
一例として所謂「インチキスパイウェア対策ソフト」を指す用語として、Foistwareを利用するサイトだ。正しくはBogus ware・Rogue ware・導入を促す手口よりRansomwareであるのだが、日本国内で販売しているとあるメーカーがFoistwareと間違って区分したため、幾つかの個人サイト運営者が自分で裏づけも取らずに自身のサイト上にてFoistwareと分類した。
(現在ではメーカーサイト上の情報は訂正されている)
またあるマルウェアがどのような挙動を示すのかについて、一部のメーカーは毎回デタラメな解説をしているのだが、これを真に受けてそのまま転載している個人サイトもある。実際に試せばすぐにわかるのにな。

「専門サイト」を立ち上げるのは、笑ってしまうほど容易

君がマルウェア対策専門サイトを設立したいと望むならば、費用と時間はそれほどかからない。
書店にて参考になりそうな書籍・雑誌を幾つか買い込み、内容を丸ごと転載すれば良い。
もちろんWebデザインやSEOのテクニックは求められるだろうが、それさえクリアしてしまえば誰でも簡単に「何ちゃら専門サイト」をすぐに設立できるだろう。
と言うか検索上位の個人サイトの幾らかは、多分そうだよね。

もうダメなんじゃないかな、既に

日本国内にて、個人が運営するマルウェア対策サイトの大多数は、オリジナリティなり独創性なり新規性が無い。
例外としてはワンクリウェア対策関連サイトと、2chを発とするAntiny関連まとめサイト、一部の老舗サイトかなぁ。

ある程度の域を抜け出した、所謂中間層とか中級者層(自分はネット中級者のような言い回しは好きではないが)がどんどん生まれオピニオンリーダーとして活躍しなければ、もうダメなんじゃないだろうかと。
現状は、中級者層の活動は活発では無いですよね。


所謂「神様」のような層とメーカーが提示する情報、これを初心者や不慣れな方に対してわかりやすく、かつ正しく紹介し。
パイプ役ではないんですが、悩み苦しむ方の助けとなりそっと支える。
そのような中間層が生まれ活発に活動しなければ、どうにもならないんじゃないかな。

後書きとして

偉そうな事をダラダラと書き、気を悪くした人がいたらばすいません。
Lucaさんの駄文を見つけ、腹立たしさを感じ、コンニャロと怒るような方も居るでしょう。
ですが自分の正直な気持ちとしてですね。ここで腹を立てて反感を感じ抗議したり、また見返してやるぅ!と感じた方が居ましたらば、嬉しい限りです。
あなた方はこれから多くの人々の役に立ち、顔も知らない多くの方の助けとなり、感謝されるでしょう。


だけど現状では、もうダメなんじゃないかな。
どうしたらばいいんだろうか。