携帯族とPC族 - ネットの下流社会誕生との記事に対する疑問

FACTA onlineにて掲載された記事に、口をアングリとさせられた。
20歳代の若者層がネットに接続するに際して、パソコンではなく携帯電話を利用するのは、金銭的な理由によるものであり下流がどうこう記事である。


パソコン見放す20代「下流」携帯族:FACTA online(はてなブックマーク)周辺を眺め、読んだ方の意見を集約してしまうとこんな感じ。
1)携帯電話は意外と金がかかるものである
2)携帯電話でネットに接続するのを下流と決め付けるのはおかしい
3)格差なのか?


2000年4月から06年3月までの6年間でのPCサイト利用者の年齢構成比を元記事は論じているんだけど、そもそも人口比はどうなんでしょうか。
2000年と2006年の「20歳代」人口は、かなり違うんだよね。
この論点について突っ込みを入れているブログを一つ紹介。ごもっともですね。

つーか5年前の20代って第2次ベビーブームのあたりで、今の20代とそもそも人口が違うんじゃねーの?
と思って国勢調査の数字見てみたら、H12の20代は約1800万人、H17は約1500万人で、300万人違うんですけど。
追記
人口比率を出してみたら、20代はH12で14.35%、H17で12%と、むしろ前回の調査で20代が高すぎたんじゃないのという感じはする。あと単純に、60代以上は人口の25%前後を占めているわけで、比率で見ると、ここの増加は他の世代の減少に大きく影響する状態なわけです。


元記事では「ネット利用動向の調査サービス会社ネットレイティングスが昨年11月に公表した「データクロニクル2006・ファクトシート」」なるものを参考にしているんだけど、リサーチの質問票とか生データとかが見たいな。
論点とすべきは各世代間でのデータではなく、20代人口中におけるネット利用の多様化ではないでしょうか。
20代でデジタルデバイド!とブチ揚げるのは、妙な話ですね。

危機管理意識が欠如している編集長

元記事の編集長が反応の多さに気を良くして、妙な内容の記事を掲載しておりますが。
一部を抜粋して紹介する。

先日ご紹介したFACTA最新号の「パソコン見放す20代『下流』携帯族」の記事。筆者から「あちこちで引用されています」との報告があった。もちろん、否定的なものもあるが、やはり論議を呼ぶのだなと思いました。彼が寄せたのはこんな感想だった。

 はてなブックマークの傾向を以前から見ていたのですが、明らかに理系・技術系のユーザーに偏重しており、実を言うと生粋の携帯ユーザーと接したことがある人自体が少ない、携帯ユーザーの実態を知らない、という印象があります。

さらにFACTA記事の筆者が言うには、

ヤフーオークションamazonマーケットプレイスなど、携帯電話ユーザーも使えるPCサイトだと、PCユーザーが、携帯ユーザーを嫌がる傾向も顕著に出始めています。理由は、「書いてあることをちゃんと読んでない」「オークションやマーケットプレイスの仕組み自体を理解しておらず、売り手に直接教えてもらおうとする」、「売買のルールを知らず、規約にないクレームを付ける」などです。ヤフオクの板などでは、「携帯電話ユーザーの利用を禁止せよ」という意見すら結構出てると聞きました。

ますます面白い。この内ゲバを野次馬根性でみなさんも見守るべし。

どう面白いんだろうか。
阿部重夫編集長はフレームの元となるような話を面白半分に煽り立てただけではないか。
FACTA onlineでは「携帯電話でネットに接続するユーザーは下流」との前提に立った記事を掲載し、編集長ブログにて更に追記した。「携帯電話でのネット接続者は初心者であったりマナーが悪い」との話を付け加えてだ。


阿部重夫編集長によるブログは、後になってから「記事が著者による前提ありき」であったと方向づけてしまった時点で、失敗だったのではなかろうか。
(この方は論点が見えてないんだろうかと)
更には、内ゲバや野次馬根性などの品性が無い単語を持ち出しちゃった時点で、雰囲気が余計悪くなった。
阿部重夫氏は、危機管理能力が欠如しているのではなかろうか。