原発の制御棒の謎 - 何故に下から上に制御棒を?

最近原子力発電所の臨界事故と言いますか、定期検査中に制御棒が水圧で下に下がって抜け落ち、臨界に達したとの話を週刊誌で読んだ。1999年の志賀原発の話だ。
制御棒、歯止め外れ? 志賀原発事故、究明の焦点(asahi.com) via セキュリティホールmemo


どうも根本的な部分が理解できない。
原子力工学や工業デザインなどと無縁で、質問できそうな方も身近には全く居ないので、どなたか教えて下さい。


まず、制御棒が抜けると原子炉内部の放射性同位元素が活発に活動し、臨界が起きるのはわかった。
制御棒は中性子を吸収し、原子炉の活動に対して阻害的な働きをするもので、ブレーキみたいなものらしい。

原子炉出力を制御するために、炉心内で生成される中性子数を調整(中性子吸収によって)する棒又は板状物質をいう。熱中性子炉では、ホウ素、カドミウムハフニウム等の中性子吸収断面積の大きい材料を炉心内に挿入して用いる。制御棒には、粗調整棒、微調整棒、安全棒などがある。制御棒は、原子炉を緊急に停止するときにも用いられ、その際は炉心に急速に挿入される(これは安全棒の役割である。)。


上から下へ差し込む構造ならばと仮定する。これであれば制御棒を吊り上げたらば臨界が起こるのだが。
緊急に臨界を停止させなければならない時には、吊り上げるワイヤーか何かわからないけど器具を固定する部分を切り離せば制御棒は下に落ち、臨界が止まるだろう。
(地球上に施設を設置するならば、重力ってものがある)


水圧で制御棒が下がって臨界が起きた、これが今回のニュースなんだけど。
何故に制御棒は、下から上に差し込む設計なのだろうか?
パイプに穴が開いて水圧が下がったらば、制御棒を上に持ち上げる手段を失うのではなかろうか。
設計を安全側に傾けて考えるならば、上から制御棒を吊り下げる方が、緊急時(炉心に制御棒を何が何でも差し込まなければならない事態)には望ましいような気がするんですが。


原子炉などに詳しい方がおりましたらば、原発におけるリスク管理と工業デザインなどの簡易な解説資料を紹介していただけないでしょうか。
熟知している人が見たらば、自分の疑問は大変恥ずかしい話なのやもしれませんが。どのような資料を読めば良いのかすら全くわかりませんので。