情報漏洩の幾つかは社内での嫌がらせ目的ならば防ぎようがない

とあるクローズな場で以前、社内統制のあり方やリムーバルメディアの扱いや、winnyや所謂キンタマウイルスなどの暴露系マルウェアの扱いについて意見交換した際に、ふっと思いついて何気なく言った暴言的な一言で皆さんが凍りついた。
「誰かが意図的に今話題の手口であるように装って破壊工作をしても、わからないよね」と。


「困らせたかった」捜査情報メモリー窃盗容疑の警官(asahi.com) via CLUBPC security Betaなる事例を目にして、これは氷山の一角であるんじゃないかと考えた。
(mash氏のCLUBPC security Betaは毎回視点が面白いし、内容が濃く興味深いネタが多い。)

態度が気に入らない→あ、そういえばフラッシュメモリの紛失は懲戒対象だったな。→よし、新聞社に送ったれ。という概略です。捜査情報が入ったフラッシュメモリを意図的に盗み、新聞社に匿名で送付となれば、困らせるという範疇を逸脱しております。
困らせたくて、フラッシュメモリを盗む事例でまだよかったなと、正直思いました。内部の人間はそこにいるのが自然ですし、何かあってもあまり疑おうとしません。ましてや上司ならなおのことです。


USBフラッシュメモリーキーの管理に限らず、誰かを貶める目的での情報漏洩事件は、潜在的に幾つか既に存在しているような。
だがどのような対策を促すべきかとか考えてみても、相応に責任と権限がある方による悪意を持った行動は、誰が監視しブロックするのかとか。

悪意がある社員による逸脱した行動を、誰かが予見し判断できるのか

Winnyを使っているから情報漏洩が起きるって布告は短絡だし、私物パソコンの持込みを禁止したって不十分だ。
暴露系マルウェアによるトリガーは、単純にある種のマルウェアに感染するとの一点が直接要因であり、第三者フロッピーディスクUSBメモリーキーで持ち込んだ暴露系マルウェアWinnyを意図的にどこかのマシンに感染させた事例なんて、誰も考えていない。


リムーバルメディアの扱いにしたって、面倒なものだ。
今回の事例にしたって、社外(警察署以外)の第三者がたまたま取得した情報を新聞社に提供したように装った話なんだけど、署内における情報管理が一気に崩壊した話であり、「うっかり社員の行動」への教育ではなく一歩進めた話が必要な気がした。


USBメモリーキーやipodなどが情報漏洩の手段の一因と考えられ、リムーバルメディアの利用をいかに制限するかとの記事などをネット上では多々目にする。そんなのはいつか簡単に、あっけなく漏れうるものだと想定しなければならない。
アカウント管理にしたって、社内での犯罪にては誰かが不正に入手したパスワードにより同僚のアカウントにてログオンしたのやもしれない。
次のレベルとしては、漏洩したファイルが外部の第三者によって開けない・閲覧できないようにするべきなんだ。だが意図的に情報を漏洩しようと試みる連中に対して、どこまで十分な対策を取れるのかと悩む。

模範解答としては、ファイルを開くに際しては社内に設置した認証サーバーの認証をクリアしなければならないようなソリューションでかな。高額なもののかなりの効果はあるだろう、外部へ持ち出されたファイルが開けないのだから安全性はかなり高くなる。
だがいい金額だったりするし、そうそう導入できるものではない。

嫌がらせ目的ならば、どこまでもやれちゃう怖さ

どう足掻いてもある一定以上の部分には面倒な問題はあるし、誰にもどうしょうも無い。
コピーできたりプリントアウトできたならばどうなのかとか。


結局のところ、社内にて相応の権限を取得しているような方や、もしくは社内での統制がユルい場においては誰でも、犯意を持って意図的に情報を流出させようと試みたりまたは特定社員に罪を被せようとするのは、あらゆる方法が存在するし。
十分な対応をとるには、どうしたらば良いものなんだろうか。
保護されたドキュメントであっても、画面をキャプチャするようなソフトウェアを利用できたらば、意味が無い。
またディスプレイに表示された情報を紙に書き写されたらばとか、電子データ化される以前の段階の手書きの文書はどうすべきなのかとか。


ここではとりあえず、従業員が意図的に何らかの悪意を持って情報を漏洩させる場合にては、誰が真犯人なのかを特定するのは難しいし、予防策は取りづらいのではとまとめておきます。
(未確認情報ですが、暴露系マルウェアキンタマウイルス系における情報漏えい事件にて不審な事例があるとか。昨年セキュリティもみじでの飲み会にてどなたかと意見交換しましたが、詳細を覚えておらず)