偽装商品の責務を、小売店にまで負わせるべきなのか

 北海道のミートホープ社による牛肉・豚肉の偽装問題は、かなりニュースでも話題になっているようだ。
 セキュリティホール memoにて紹介されていた記事より。

 北海道苫小牧市の食品加工卸会社ミートホープによる偽「牛ミンチ」出荷問題で、田中稔社長(68)は21日夕、同社で記者会見し、「牛肉のトリミング(くず肉)に豚肉のトリミングをあわせて作ろうという話をした」と述べ、自らの指示で始めたことを認めた。「7、8年前から最近までやっていた。毎日のようにやっていた時もある」と、長期にわたり日常的に繰り返していたことも明らかにした。  田中社長によると、豚など格安の肉を混ぜて「牛ミンチ」として売ることで、コストが1、2割安くなったという。
 冷凍食品大手の加ト吉は22日、ミートホープ社の牛ミンチを使用して製造したコロッケなどの冷凍食品を検査した結果、30品目のうち、23品目から豚肉が検出されたことを明らかにした。なかには牛肉と豚肉のいずれも検出されなかった商品もあり、鶏肉や羊肉が使われている可能性があるとみて追加検査を実施する。  加ト吉は、他社からの委託を含め、ミートホープの肉を使って32品目を生産している。牛ミンチへの豚肉混入が判明した19日、すべての商品についてDNA鑑定を外部に依頼し、30品目の結果が出た。  このうち、加ト吉が自らのブランドで販売している9品目については詳細を公表した。豚肉の陽性反応が出たのは5品目で、うち1品目は牛肉の反応がなく、牛肉がまったく使用されていない可能性があるという。さらに1品目は、牛肉、豚肉ともに反応が出ず、鶏肉や羊肉が使われていないか調べる。【平地修】
 ミートホープ社による原材料の虚偽表示問題について、凄く引っかかる話を一つ。  豚肉を混入した偽牛肉ミンチ肉・またはこれを加工した食品を販売するメーカーがあったとして。更には、加工食品とか冷凍食品として加工するメーカーがあったとして。  この程度の関係での関与ならば、原材料を直接扱うのだから偽装に気付くような場合もあるだろうし、どこかに外注して豚特異たんぱく質とかDNAを検出するか否かを検査できそうだけど、自分には知見が無いんだけど。  食品加工業者が購入した原材料の品質管理を行う上でチェックするならば、そりゃアリでしょう。  だけどさ。最終的に仕上がった冷凍食品とか完成品を、販売するだけの業者 - 大手スーパーや生協は、責任を問われるべきなんだろうか。  それは違うだろうと。  気になる投稿があったので、一部を抜粋して紹介する。
本件はミートホープ社の不祥事および所轄官庁の不手際を中心に報道されており(後に加ト吉問題も起きていますが)、生協、スーパー等購入側の非についてはあまり糾弾されていない気がします。(全ての報道をチェックしているわけではありませんのでもしかしたら既に報道されているかも。)消費者との接点に介在するこれら企業には、消費者に品質の確かな、安全な食を提供する企業理念があるはずです。本来この理念に則り、企業活動が行われていれば、内部告発を待たずして、今回の不祥事は露呈したと思います。生協を初めてとした十数社は、仕入時にどんな受入検査を行ってきたのでしょうか。また、定期的に委託先・納入先としてのミートホープ社の監査を行っていたんでしょうか。財務報告に係る内部統制報告制度では、委託業務について厳しい評価を課せられていますが、こと我々消費者の人体に直接影響する食品、食材については、全く管理が無視されていたとしか言いようがありません。  Posted by: 迷える内部監査人 | 2007.06.25 at 12:46
 大型小売店舗にどれだけの責任があるんだろうか。  そもそも前提条件として「完成品を仕入れて、直接消費者に販売する店舗」に、どれだけの非があるのだろうか。  小売店舗は納品された商品を逐一チェックして、抜き取り調査を行って試験検査機関に毎回サンプルを送付して多大な金額を支払わなければならないのかい?  じゃぁ、さ。 カルビーのポテトチップスとかプリングルスに、サツマイモが混入されていないかと、セブンイレブンや駄菓子屋は逐一チェックしなければならないのかい?  本気か?本気で言っているのか?

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