シーシェパードによる化学薬品攻撃 - 酪酸は環境に優しくない

南氷洋でのシーシェパードによる捕鯨船団への攻撃は、容赦ない苛烈さを示し。
攻撃後に乗り込み捕らえられたシーシェパード関係者を釈放するよう、オーストラリア政府が堂々と要求する異常事態となっている。

酪酸の危険性、暴露時に無事で済むのか?

シーシェパードが凶器として用いているとされる化学薬品、酪酸について述べてみる。
忘れちゃならない重要なポイントは、捕鯨船団、特に小型の目視監視船にはどれだけの医療設備が整っているのかとの点だ。
船医による十分な医療処置を受けられるのか?そもそも船医は乗船しているのか?
いずれにしてもだ、化学薬品を取り扱う工場に設置されている緊急用シャワーなんて存在しないだろうし、まともに浴びせかけられたらば応急処置なんて受けられないだろう。

3.危険有害性の要約
最重要危険有害性
有 害 性:火傷を起こす。
危 険 性:引火性。
可燃性蒸気−空気混合物を形成する。
環境影響 :水生生物に有害。

(強調部分は、引用者による)

眼 痛み、発赤、重度の熱傷、視力喪失。


漏洩物処理
・この物質を環境中に放出してはならない。

(強調部分は引用者による。危険性を指摘する部分が多くて、丸ごと引用するのもどうかと思われましたので、一部のみ抜粋しました)


ちなみに、国連による危険物分類では

クラス8 腐食性物質 化学作用により生体へ接触するとその組織に重大な障害を起こし、漏えいしたときにほかの貨物や容器を損傷する物質


もしも船員が、酪酸のビンを投げつけられて、まともに浴びたらばだ。
失明の危険性があり、全身化学薬品によるヤケドを負うのは確かだ。


まぁ、最も確かな点としてはですね。
環境万歳と唱えるような連中が、海洋に垂れ流すにはふさわしくないのは自明だ
鯨を守るために活動してる団体が凶器として利用する化学物質が、鯨にどんな影響を与えるのかね。

断りとして

当初自分は、凄く長い文章をダラダラと書いてて。
テロとは何ぞやとか、テロリストとはとか、環境テロってのはそうではなくとか。
オーストラリアと南氷洋南極条約、領土と領海、水産資源と覇権主義
シーシェパードが銃器を所持し発砲する危険な行為を繰り返している問題とか。
またフランスの元大統領シラクが、遺伝子組み換え植物反対グループによる実験農場の破壊行為に対して下った有罪判決後に特赦を与えたケースを絡め、政治家個人の心情的な解釈が法治国家のあり様としては異様で、オーストラリアも同様ではとか。


だけどもここでダラダラと書くのは意図 - 政治的、または信条やスタンス - を誤解されちゃうような気がしたんで。バッサリと削りました。
後は各々で考えていただきたい。

反捕鯨団体シー・シェパード」の大型ゴムボートが2008年1月15日、南極海捕鯨調査に当たっていた「第二勇新丸」に接近、劇物を投げ込んだほか、船内に活動家2人が侵入したことがわかった。水産庁などによれば、酪酸と思われる液体の瓶を投げ込んだり、プロペラに絡めることを目的にロープを流すなどの妨害行為を展開したという。

 水産庁などによると、拘束された豪州人(28)と英国人(35)の活動家2人は、それぞれ調査捕鯨の中止を求める抗議文を携え、犯罪目的で船に侵入したわけではないことを強調し、「抗議文を手渡しに来た」と説明。

【1月16日 AFP】南極海を航行中の日本の調査捕鯨船が米国の環境保護団体「シー・シェパード(Sea Shepherd)」の船に操業を妨害され、同団体の活動家2人を不法侵入の疑いで拘束した事件で、日本側は2人を解放することで合意した。オーストラリアのスティーブン・スミス(Stephen Smith)外相が16日、明らかにした。
 同外相が国営ラジオ局に語ったところによると、オーストラリアの関係当局が2人を解放するよう日本政府に働きかけ、15日夜に合意したという。
 拘束されていたのはオーストラリア人のベンジャミン・ポッツ(Benjamin Potts)さんと英国人のジャイルズ・レーン(Giles Lane)さん。2人は15日、クジラの捕獲をやめるよう日本に求める書面を手渡すために第2勇新丸(Yushin Maru No 2)に乗り込み、不法侵入の疑いで身柄を拘束されていた。

 水産庁に入った連絡によると、日本時間15日午後4時ごろ、南極海を調査捕鯨で航行中の日本鯨類研究所の捕獲調査船、第2勇新丸(747トン)が、捕鯨に反対する米国の環境保護団体「シー・シェパード」の船によって妨害を受けた。
 男2人は船からゴムボートに乗り換えて第2勇新丸に近づき、スクリューを狙ってロープを投げたり、液体入りの瓶を投げ入れたりした後、船内に侵入した。身柄拘束後は抵抗することなく、現在は船室で保護しているという。同庁によると、公海上で制止を振り切って日本国籍の船に侵入した場合は刑法の不法侵入罪にあたり、現行犯逮捕が可能だという。


何が正しく、何が間違っているのか。
んな判断ってのは、その時点での時代正義的な尺度が左右し得るものではありますが。
「抗議の文書を手渡したかっただけだ」と主張する方々が、危険な化学薬品を凶器とすべきでしょうか?