小人さんによるカスタマイズとウイルス感染

パソコンの高速化やカスタマイズするのは、珍しい事じゃない。
だがあまりにも不可解な話があったので、余談として。


先日ウイルスに感染したので何とかしてくれと依頼され、他所様へ行った時の話。
依頼者は普通にPowerPointPhotoShopも使うし、相応にパソコンに慣れているものの、あまり詳しい事はできないとのこと。


現物はWindows XP
本格的に調べる前に、簡単に下準備をしようとしたんだ。


ウイルス対策ソフトウェアのログファイルを見て、ウイルス定義ファイルのバージョンと日付をチェックし。
コントロールパネルのプログラムの追加と削除を開き、ソフトウェアの導入状況とWindows Updateしてるかなぁとチェックし。
管理ツールからイベントビューア、サービス。
フォルダオプション。
セキュリティセンター。
コマンドプロンプトからnetstat -ano。タスクマネージャでPIDを表示させて比較。
Internet Explorerの状況(アドオン、信頼済みサイトゾーン等)、ネットワーク接続、Hostsファイル。
ざっと「ある期間に新規に作成されたファイル」を検索し。
その他諸々。


この時点で、言葉で説明するのは難しいのだが、、、、どうも違和感があった。
それが何なのか、その時にはわからなかった。


システム構成ユーティリティからスタートアップ項目を開き、、、あれ?Microsoft Office(Common Startupの)やその他幾つかの項目のチェックが外れている。
ここで、やっと気付いた。
明らかに、雑誌の「Windows XPの高速化」記事のようなカスタマイズが行われた形跡があるんだ、所有者はパソコンには詳しくないと言っているのに


所有者に聞くと、システム構成ユーティリティなどは存在そのものを知らなかったし、その他についても覚えが無いという。
パソコンは譲られた中古品ではなく新規に購入したもので、他の人に貸したことはないとの言葉を信じれば、だが。
誰がこのパソコンを勝手にカスタマイズしたんだ?


簡単なチェックが終わった時点で、感染しているものはヒューリスティックスキャンで検出隔離・また再作成されるものと、目視で発見したアドウェア
じっくりと調査すれば、他にも幾つか出てくるだろう。


一息つきながら、所有者に状況を説明しはじめると「全部消して下さい、データも要りません」と即答される。
決断早!


どこかのブログで「男はパソコンを道具として扱うが、女はまるで自分の家のように」と書かれていたのを、ふっと思い出す。
マルウェアの感染以上に、誰かが勝手に操作しまくった事実に対する嫌悪感が、所有者に相当な心理的ショックを与えたようだ。
犯人(?)は親切心でやったのだとしても、だ。
ストーカー被害のような気分を与えたのは事実だ。


(その後一応、トロイの木馬・スパイウェア・キーロガー感染時にあきらめる判断基準(Semplice, 2006年12月4日)の内容に沿ったリカバリーに対する十分な説明を行って、了解を得た。)

追記として

「パソコン高速化何とか」みたいなソフトウェアを利用したか否かは、所有者には確認をとっている。
またサードパーティのユーティリティツールが行いうると想定されるカスタマイズ以上の操作が行われていたので、第三者の介在は明らかであった。